強迫性障害の克服法(認知行動療法)

強迫性障害の克服法認知行動

認知行動療法自体の説明については、こちら「認知行動療法」をご覧ください。

強迫性障害の克服に使われる認知行動療法とは

強迫性障害の克服(治療)には、認知行動療法の中の曝露反応妨害法(ERP、エクスポージャーと儀式妨害)が使われています。曝露儀式妨害法とも呼ばれます。

強迫性障害は昔は治らない病気だった

強迫性障害は精神科医の間でも以前は治らない病気とされてきました。

しかし、曝露反応妨害法を行う医療機関が出て、治る病気になりました。

とはいえ、「強迫性障害克服法」に書いたように、強迫性障害が完全に良くなる割合は50%程度と言われており、治りにくい心の病気の一つです。

曝露反応妨害法とは

曝露反応妨害法は、認知行動療法の行動療法の一つです。

強迫観念が起こるトリガーにあえてさらします(曝露)。

たとえば、ガスコンロのスイッチを切ったかかどうかが気になる人の場合は、ガスコンロの火をつけます。

そして消して、ガスコンロから離れます。このとき強迫観念が起こります。

ガスのスイッチをちゃんと消したかどうかが気になります。

通常であれば、ガスのスイッチを確認します(強迫行為)。

しかし、この強迫行為をあえてさせないようにします。

これが反応妨害で、曝露反応妨害法と呼ばれるゆえんです。

強迫行為自体が強迫観念を強化している

強迫行為をすることで不安は一時的に解消しますが、不安の根本的な解消にはならず、またすぐに不安がよぎってしまいます。

強迫行為自体が強迫観念を強化しているきらいがあります。

そのため、反応妨害することで、強迫行為をしないようにひたすら我慢させます。

すると、時間が経つと不安が減ってきます。

これを行うことで強迫観念がだんだん弱くなり、強迫性障害の克服ができるという仕組みです。

最悪の恐れを見つける

また、単に強迫観念が起こる状態に暴露するだけではなく、最も恐れていることも見つけていきます。

たとえば、ガスコンロの火を確実に消していなければ、起こりうることで最も恐いことを見つけていきます。

火事になって、自分だけ生き残って、他の人が焼け死ぬことかもしれません。

最悪なシナリオを書き出し、それをイメージさせて、恐怖にさらします。

そして、それを我慢することで、恐怖はだんだん減っていき、恐さを克服できるようになります。

認知療法も併用されている

また、認知行動療法の認知療法も使われています。

認知療法とは、非適応的な認知を適応的な認知に変える方法ですが、簡単に言えば、苦しみを生んでいるネガティブな考え方を正常な考え方に変える方法です。

強迫性障害の人は非適応な認知を持っています。

たとえば、不潔恐怖であれば、「ある人が触ると汚染されて自分が汚れる」とか、縁起恐怖であれば、「悪い念がつくと人に悪影響を与えてしまう」など、不合理な思い込みを持っていることがあり、それを変えていこうとするやり方です。

曝露反応妨害法の最大の欠点

曝露反応妨害法の最大の欠点は、クライアントの過度の負担です。

恐怖をあおるだけあおられて、反応妨害されるというのは、考えただけでも極めて酷です。

呼吸法によるリラクゼーション法を取り入れたとしても、それだけでは恐怖に向かうには心もとないと思います。

この方法を行うにはかなり強い覚悟と意志が必要です。

はじめは弱い恐怖からだんだん慣れていくことをやるようですが、中にはいきなり強い恐怖に直面させるようなところもあるようです。

恐怖をあおるだけあおられて、それでギブアップした場合、余計恐怖が強くなります。

また、失望感や自分への信頼度も下がり、余計に落ち込むことになりかねません。

現状では曝露反応妨害法が主流の治療法

現状ではこの曝露反応妨害法が強迫性障害の治療に一番高い効果を上げており、勇気をもってこの治療法を行えば、75%は克服できるという結果もあります。

また、克服した後の再発の可能性は25%と、薬物療法の再発率(50%)に比べても低くなっています。

曝露反応妨害法は効果が高いとはいえ、私が行っているEFTやMRによる克服法は、曝露反応妨害法に比べて圧倒的に苦痛が少なく、同程度以上の効果が得られるので、こんな酷な克服法に代わってもらいたいと思っています。

EFT/MRと曝露反応妨害法の違いについてこちらの記事で詳しく説明しています。
恐怖症に対する認知行動療法(曝露療法)とEFTの違い

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ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら