適応障害とは

適応障害とは

適応障害とは

適応障害はストレス障害の一つで、はっきりと確認できるストレスによって、精神面、身体面での不具合が生じ、社会生活に著しい障害が起こるものです。

Wikipediaの適応障害の診断基準は次のように書かれています。以下引用(2015/5/26時点)。

『適応障害は診断が難しく、DSM-IVとICD-10でも若干診断基準が異なる。

  • はっきりと確認できる大きなストレス、及び継続的、反復的にかかり続けるストレスが発症の原因であり、そのストレスを受けてから3か月以内(ICD10では1か月以内)に情緒面、行動面で症状が発生すること。
  • ストレス因子と接した時に起きる予測を超えた苦痛の反応もしくは、社会生活、職業・学業的機能において著しい障害が起きること。
  • 不安障害や気分障害、うつ病などの既存の病気が原因ではないことで、ストレスが死別反応などによるものではないこと。
  • ストレス因子が排除された場合、半年以内に寛解すること。
  • ストレス因子が無くなった後も半年以上症状が続く場合は、他のストレス障害(PTSDや分類不能の重度のストレス障害)や特定不能の不安障害などを考慮する必要がある。ただし、ICD10の場合は、遷延性抑うつ反応の場合は最長2年間持続するとされている。
  • また、症状の持続時間が6か月以内のものを急性、6か月以上のものを慢性と呼ぶ。慢性の場合は継続的なストレスが続いている場合に適用される(たとえば、周りに犯罪が多発する場所に住んでいる。裁判に巻き込まれるなど)。』

つまり、適応障害の場合は、次のことが言えます。

  • ストレスの原因がはっきり分かっていること
  • そのストレスのせいで社会生活に支障をきたしていること
  • ストレスがなくなれば半年以内に回復する

適応障害克服にはストレス因子を除去すること

ということは、ストレス因子を除去することが適応障害治療(克服)のためにやるべきアプローチということになります。

ストレス因子は特定されているので、原因が分かっています。

ただ、その原因を簡単に変えられれば、苦労はしません。

本人にとって変えられない状況である(と思い込んでいる)のでストレス因子に苦しむわけです。

適応障害については、岡田尊司著「ストレスと適応障害」 (幻冬舎新書)がおススメです。
以下、本書を引用・参照し、適応障害について紹介します。

適応障害

本書によると、適応障害は、環境にうまくなじめないことによって生じる心のトラブルで、一言でいえば、居場所がなくて、あるいはプライドを傷つけられ、心が折れかかった状態です。

社会環境にうまく適応することができず、心身に不具合が生じますが、ストレス源がなくなると速やかに回復するのが特徴です。

適応障害は早い段階で手を打てば回復は容易

適応障害は「心のカゼ」と呼ぶにふさわしく、早い段階で適切な手を打てば回復は容易です。

しかし、こじらせてしまうとうつ病になってしまいます。

子どもから老人まで起こりうるもの

適応障害は、小さな子どもから大人、老人までどの年代のどの人にでも起こりうるものです。

適応障害のきっかけ

適応障害のきっかけとして多いのは、生活環境の変化です。

転居や転勤、転校、昇進、配置転換、留学などが頻度の高いものです。

また、対人関係のトラブルや孤立、離別や死別も重要な要因です。

原因となる出来事や変化から、1か月以内に症状が現れることが多いですが、適応力が高い人では、かなり遅れて出てくる場合もあります。

環境にストレスを感じると、シグナルを出します。

例えば、朝起きられなくなったり、体調が悪くなって学校を休みがちになったりします。

これまで普通にできていたことが苦痛でたまらなくなり、できなくなることがよくみられます。

適応障害とうつ病の違い

こうした場合、「うつ病」と診断されることも多いですが、うつ病はもっと重い状態です。

最近、新型うつ病がクローズアップされており、会社には行けないものの、休みの日や楽しいことなら元気にできるというものですが、その実態は「適応障害」ということが多いのです。

うつ病との大きな違いは、ストレスが取り去られると元気を取り戻せるという点にあります。

うつ病の場合には、きっかけとなった出来事が解決してストレスがなくなってもすぐには戻りません。
回復にある程度の時間がかかります。

しかし、適応障害の場合は違います。学校や会社に行けなくなってふさぎ込み、布団から出ようとさえしなかった人が、学校や会社から解放されてしまうと、別人のように活気を取り戻します。

適応障害に精神安定剤は不適切

そのため、医者が薬を出せばよくなるというわけではありません。

本当に必要なのは心理社会的な介入であり、居場所や存在価値を取り戻すことです。

心療内科や精神科では、適応障害で起きているうつ状態を、うつ病と同じように治療してしまうケースが少なくないですが、薬物投与でますます身体がだるくなり、意欲や気分も沈み、まったく仕事や学校どころではなくなってしまうケースもあります。

ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら