大きなトラウマと小さなトラウマ

大小トラウマ

大きなトラウマによる大きな症状

急性ストレス障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の原因となるトラウマは非常に激しく劇的なものです。

また、その後のフラッシュバックや回避行動、過覚醒に悩まされ、精神的にも肉体的にも苦しい状態が続きます。

大きなトラウマによって引き起こされる大きな症状となります。

小さなトラウマによる小さな症状

一方、継続的な小さなトラウマによる症状があります。

レイプや戦時体験ほどではないけれども、継続的にいじめにあったり、家庭内でのストレス、緊張があったり、学校や会社での継続的なストレスなどです。

程度は急性ストレス障害やPTSDほどではないにせよ、継続的なトラウマによって身体的にも肉体的にも苦しい状態が続きます。

小さなトラウマによって引き起こされる小さな症状となります。

大きなトラウマと小さなトラウマではどちらの治療が容易?

どちらのほうが克服(治療)が容易かというと圧倒的に前者です。

確かに大きなトラウマは症状も激しいのですが、原因が特定されているので対処場面がハッキリ分かります。

そして、現代ではトラウマ治療も確立されているため、大きなトラウマであっても克服できるのです。

そのため、そのトラウマの場面を癒せば、フラッシュバックや過覚醒に悩まされずに済みます。

一方、継続的な小さなトラウマによる症状は克服に時間がかかります。

特に幼少期の体験であれば克服は時間を要することになります。

今の精神的、肉体的症状の原因がこの継続的な小さなトラウマ、ストレスにあるということに気づきにくいのが克服に時間がかかる理由の一つです。
大人になった今のこの状況が幼少期のトラウマにあるということに気づかないので対処しにくいです。

小さなトラウマはセルフイメージを傷つける

また、継続的な小さなストレスは、セルフイメージ(自分に関するビリーフ)に大きな悪影響を与えます。

いじめなどは、無価値感、無力感を大きく強めます。

ネガティブなセルフイメージが人生を苦しめる

この毀損したセルフイメージはいつまでも人生を苦しめることになります。

たとえば、「私は無力だ」と無意識で信じていたら、人生の様々なところで自信がなく、あきらめ感や絶望感を感じやすくなります。

幼少期のセルフイメージは変えにくい

先ほど幼少期の体験であれば克服に時間を要すると書いたのは幼少期に作られたビリーフ(セルフイメージも含む)ほど強固で変えにくいからです。

発達心理学の研究によれば、6~7歳までは自我が未発達で、脳は物事を吸収しやすい状態です。

自我が発達してからのビリーフは論理的妥当性があれば、変えることができます。

認知行動療法でも効果を挙げられます。

しかし、幼少期のビリーフはいくら論理的妥当性に反していてもなかなか変わりません。

「分かっちゃいるけど変えられない」代物です。

一過性の大きなトラウマは実は克服は難しくない

一見、大きなトラウマによる強烈な症状のほうが克服(治療)は困難に思われがちですが実はそうではありません。

トラウマ治療は正しい知識があれば、短期で克服できるものです。

むしろ厄介なのは日常的で継続したストレスの方です。

しかしながら、短期では克服は難しいというだけで、ある程度の時間は要しますが、十分克服できます。

次はトラウマ、PTSDとうつ病の関係について見ていきましょう

トラウマ、PTSDとうつ病の関係

2015.07.31

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よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら