強迫性障害の症状

強迫性障害とは

強迫性障害とは、不安がベースとなる不合理な考えが頭から離れず、その不安を打ち消すために何度も同じことを繰り返してしまう症状です。

英語でObsession Compulsion Disorder(強迫観念、強迫行為、障害)と呼び、OCDと呼ばれることもあります。

以前は「強迫神経症」と呼ばれていましたが、神経症という呼び方自体が現在では使われなくなっており、強迫性障害という呼び方に変わっています。

強迫性障害は、ばい菌がくっついたと思って手洗いを繰り返したり、持ち物がなくなっていないかどうかが不安で何度も確認したり、物の順番や対称性に強くこだわったり、車で人を引いてしまったのではないかと何度も確認したりするなどの症状があります。

詳しい症状の種類は「強迫性障害の種類」をご覧ください。

わかっちゃいるけどやめられない

強迫性障害を持つ人は、頭ではその不安思考の無意味さを十分に分かっています。
しかし、分かっているけれどもやめられないのです。

不安に思っている時間も、確認する時間も無駄だと思っているので、やめたいのですが、やめられません。

不安の苦しみとやめられないのにやめられない苦しみに悩まされます。

強迫観念と強迫行為

強迫性障害は、強迫観念とそれに対する強迫行為から成り立っています。

強迫観念と強迫行為の両方が存在しない場合(片方のみの場合)は強迫性障害と診断されません。

強迫観念とは、頭に浮かぶ不安の思考です。嫌な言葉やイメージです。何度も何度もしつこく思い浮かび、頭から離れません。そのような不安思考が強迫観念です。

強迫行為とは、強迫観念を打ち消すために行う行動です。

強迫行為は強迫儀式とか儀式行為と呼ぶこともあります。
たとえば、「車で人を引いてしまったのではないか」という強迫観念を打ち消すためには、車を丹念に確認するという行為を行う必要があります。これが強迫行為です。

普通の精神状態であれば、仮に不安が起こったとしても一度確認すれば不安は打ち消されます。

しかし、強迫性障害の人は、強迫行為を行って一瞬安心したとしても、また時間が経つと同じ不安が頭をよぎるのです。

そして、さっき確認したにもかかわらずもう一度確認せざるを得なくなります。

確認するのは時間がかかる行為です。

車であれば、いろんな箇所をチェックして、へこんでないか、血がついていないかなどをくまなくチェックしなければ気が済みません。

このようなチェック行為(強迫行為)にすごい時間が取られるため、運転することができなくなってしまいます。

日常生活に支障が出るわけです。

トリガー(引き金)

強迫性障害の症状は、戸締りをするとかガスコンロの火をつけるとか、特定の場面に出会うと症状が起こることが多いです。

これを「トリガー(引き金)」と呼びます。

トリガーに出会うと、強迫観念が発生し、強迫行為をせずにはいられなくなります。

強迫行為の繰り返しが強迫観念を強くする

この強迫行為がくせものです。

強迫行為をいくらやっても強迫観念は消えないからです。
むしろ、この強迫行為の繰り返しが強迫観念を強くします。

強迫行為を繰り返すことで、確認行為が強化されて習慣化してきます。

習慣化すればするほど、自然治癒は困難になります。

強迫性障害にかかる人

強迫性障害の過半数が18歳未満で発症します。

比較的若いうちに発症する心の病気で、思春期の終わりから25歳までの間でストレスを感じたときに発症することが多いです。

高齢になってから発症することはほとんどないという報告もあります。

強迫性障害は世界で見ると約2~3%の人がかかる病気です。

強迫性障害の人は半数以上が他の心の病気を併発していることが報告されています。

うつ病やパニック障害、対人恐怖症、依存症などが挙げられますが、とくにうつ病の併発が多く、強迫性障害の2~3割がうつ病を併発していると言われています。

関連記事:不安障害とうつ病との関係

強迫性障害が発症すると重症になりやすい

強迫性障害は、発病すると重症になりやすい特徴があります。

2005年の海外の研究では、強迫性障害の患者の半数が重傷で、軽症といえるのは14%に過ぎないという報告があります。

強迫性障害の症状を異常だという自覚を持っているため、なるべく人に隠そうとします。

そのため、発症してから治療を受けるまでの平均期間が約7年と長くなっています。

自然に治るケースもありますが、症状が長引き、悪化するケースが多いため、早期に専門機関で克服のサポートを頼ることが必要でしょう。

次は強迫性障害の原因について見ていきましょう

強迫性障害の原因

2015.07.26

ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら