恐怖症克服で寿命が延びる!?

ノルアドレナリンの影響

恐怖症の人が、その恐怖の対象に遭遇すると、強い不安や恐怖が生じます。

不安や恐怖を感じたとき、身体は防衛態勢を取ります。

生理的にはノルアドレナリンを分泌し、闘うか、逃げるかのモードに入り、ストレスに対処しようとします。

身体は緊張状態になります。

ノルアドレナリンは人体に必要なホルモンですが、猛毒でもあります。

自然界にある毒物では毒蛇に次ぐ毒性を持っていると言われ、強いストレスを感じていると病気になり、老化も進み、早死にしてしまいます。

恐怖症を持つ人は6年も老化が早い!?

2014年4月23日放送の「ホンマでっか!?TV」で恐怖症を持つ人は6年も老化が早いことが紹介されました。

生物学評論家の池田清彦さんの紹介です。

イギリスの新聞である「デイリー・メール」によれば、42歳~69歳の女性5,000人を調査した結果、何らかの恐怖症を持つ人はテロメア(寿命をつかさどる遺伝子)が短くなっているそうです。

細胞は寿命があり、細胞の分裂回数には限界があります。

ある一定の分裂回数を超えると細胞は死にます。

テロメア仮説とは、老化はテロメアの短縮が原因であるとする仮説で、細胞の分裂回数はテロメアの長さが関係していて、テロメアが短くなると人は老化すると考えられています。

恐怖症を持っている人は、このテロメアの長さが約6年分短いそうです。

ただし、テロメアだけで寿命が決まるわけではなく、恐怖症を克服すれば寿命が延びる可能性があるかもしれないとも説明されました。

ストレスが身体に及ぼす影響

一説によると病気の8割はストレスから生じると言われています。

ストレス状態に陥ったとき、身体は緊急事態警報を出し、防衛システムが働きます。

HPA系(視床下部-下垂体-副腎系)が働き、副腎からストレスホルモンが分泌されます。

ただ、この防衛システムは連続したストレスに対応できるようにはできていません。

慢性的なストレスが続くと、ストレスホルモンも慢性的に出続けることになります。

たとえて言えば、陸上競技で常にスタートに備えているような状態です。

そのような緊張状態が長く続けば、身体はおかしくなっていきます。

大病の多くは慢性的ストレスが原因だと言われるゆえんです。

ストレスと身体の痛み

身体の痛みも同様です。

たとえば、腰痛の発症や慢性化には心理的なストレスが関与しており、画像検査などでも原因が特定できない腰痛が大半を占めるとの診療ガイドラインが出されています(日本整形外科学会、日本腰痛学会)。

また、イギリス医師会によれば、腰痛の約85%が原因不明とされています。

恐怖症の人は、ストレスを抱えやすく、対人恐怖症など、日常生活で避けられないものであれば、慢性的にストレスを抱えることになります。

常にストレス警戒態勢でいれば、ちょっとしたストレスでも敏感に反応するようになります。

そのため、さらなる不安に襲われるという悪循環に陥りやすくなります。

恐怖症の対象に遭遇しなくてもストレスは生じる

動物は短期のストレスに反応するようにできており、天敵から追いかけられても、逃げ切るとすぐに身体のバランスは回復します。

しかし、人間は知能や記憶が発達しており、ゆえに弊害もあります。

過去のつらい記憶を生々しく思い出すことができ、思考だけでストレス状態に陥ります。

人間の身体は実際の経験で感じた感情と、思考のみによって作り出された感情の違いを区別できません。

そのため、恐怖症の人は、実際にその場面に遭遇しなくてもストレスを抱えることになります。

高所恐怖症の人なら、高所を想像するだけで身体は緊張状態になります。

そして、単にそれだけにとどまらず、それに付随する不安も出てきます。

「この症状は治るのか?」
「またこんな症状が出たらどうしよう」
「私は病気なんだ」
「私は恐怖に打ち勝つ強さがない人間だ」
「明日もこんな状態になったらどうしよう?」
「次の職場は大丈夫だろうか?」
「明日のデートでこの症状が出たらどうしよう」…

など様々な不安が生じ、それが更なるストレスを生み、身体の生理的反応を変化させます。

恐怖症は誰にでも起こり、また解消できるものなので、早めに克服することをオススメします。

症状が重症化するほど、克服にも時間がかかります。

ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら