対人恐怖症の原因

対人恐怖症の原因

対人恐怖症の原因はたくさんあります。

同じ症状でも人によって原因は異なります。

原因が複合的に組み合わさっているケースがほとんどでしょう。

元々の性格や気質に加え、生活環境や過去のトラウマが複合的に影響を及ぼし、対人恐怖症に結びついています。

主要な原因と思われるのは過去のトラウマです。

トラウマとは心の傷のことです

同じ出来事でも、それによる心の傷がどれだけ深くなるかは、人によって違います。

楽観的な性格か悲観的な性格かによっても違いますし、ストレス耐性も違います。

ストレス耐性が弱ければ、トラウマは強いものになりやすいでしょう。

これは元々の気質もあるでしょうし、育った環境の影響も大きくあります。

対人関係のトラウマでいえば、下記のような特徴を持つ人はトラウマができやすいと言えるでしょう。

トラウマができやすい性格

  • 内向的でシャイな性格
  • 物事を悲観的に考える
  • 他人の顔色をうかがう
  • 人とコミュニケーションを築くのが苦手
  • 完璧主義
  • ストレス耐性が弱い

トラウマのプロセス例

たとえば、クラスのボス的存在から睨まれて仲間外れにされたとします。

すると心に傷を負い、トラウマになります。

先生や親に相談してもまったく取り合ってくれなかったりすると、さらに心の傷は深くなるでしょう。

人が信用できなくなります。

人が恐くなります。

こんなつらい経験をしたくないので、そういう状況を避けるようになります。

人の顔色をうかがいすぎて、気遣いばかりするようになったり、人と会うのを避けたりします。

これらの過程でネガティブな思い込みができることもよくあります。

たとえば次のような思い込みです。元々持っていた思い込みをさらに強化する方向に働くこともあるでしょう。

生きるのが苦しくなるネガティブな思い込み

  • 「私には価値がない」
  • 「私は無力だ」
  • 「私は理解されない」
  • 「私は存在価値がないから攻撃される」
  • 「私は人に迷惑をかける存在だから攻撃される」
  • 「世の中は危険だ」
  • 「社会は怖いものだ」
  • 「他人は信頼できない」
  • 「他人は平気で私を傷つける」
  • 「他人は私を裏切る」

このような思い込みは、心理学でいう「投影」現象を通じて、苦しい世界を作り上げます。

投影についてはこちらの無料オンライン動画で詳しく説明しています。

ニワトリが先か、卵が先かではありませんが、トラウマが先にあるのか、元々あるものが先にあるのは分かりませんが、複合的な要素が絡み合って、対人恐怖症になります。

トラウマが対人恐怖症を作り出す例

トラウマが対人恐怖症を作り出す例を挙げてみましょう。

たとえば、男性恐怖症でひげを生やしている人がなぜか怖いというケースを例にして説明します。

幼少期におじさんから嫌がらせをされて心の傷を受けました。

そのおじさんはひげを生やしており、そのひげがその子どもにとって強く印象に残っていたとしましょう。

脳は、トラウマと同じような状況になると、そのときの感情を思い出させます。

これは生理現象で、自動的に起こります。

同じような嫌がらせを誰かにされると、そのときのトラウマの感覚が自動的に起こり、身体の症状が起こるのです。

過去のトラウマが強いほど、反応も強くなります。

そして、嫌がらせをされたときだけでなく、ひげを見てもその反応が起こるケースがあります。

脳の神経回路がそのトラウマとリンクしているのです。

その場合、ひげを生やしている男性に対して嫌悪感を抱きます。

本人はなぜ嫌悪感を抱いているのか分かっていませんが、過去のトラウマを脳が参照して、嫌悪感を抱かせているのです。

これがひげを生やしている男性を見ると恐怖が生じるメカニズムです。

これはあくまでも一例であり、分かりやすく説明しただけで、すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、恐怖症には過去の心の傷が大きな影響を及ぼしています。

次は、対人恐怖症の種類を見てみましょう。

対人恐怖症の種類

2015.07.27

ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら