対人恐怖症の克服法

対人恐怖症の克服をサポートしている人たち

対人恐怖症克服のサポートをしているグループを分けると大きく2つに分けられます。

  • 1)精神科、心療内科、メンタルクリニック、関連カウンセリング
  • 2)民間カウンセラー、セラピスト

ちなみに私は2)になります。

大きな違いですが、1)は医師が中心です。カウンセリングは医師と提携しているカウンセラーになるでしょう。

医師もカウンセリングを行いますが、現在の診療報酬制度では十分なカウンセリングを行う時間は取れないため、短時間での診察となります。

医師でなければできないことは、病気の診断と薬物治療です。

対人恐怖症(社交不安障害、SAD)と診断できるのは医師だけなので、医学的診断が必要な場合は、医師の診断を受ける必要があります。
また、薬物治療を受けたい場合も精神科やメンタルクリニックを受ける必要があります。

関連カウンセリングは臨床心理士の資格を持ったカウンセラーが多いです。

こちらは病気の診断や薬物治療を行うことはできません。

2)の民間カウンセラー、セラピストは、大きな団体でやっているところもあれば、個人で独立開業しているところもあります。

いわゆる心理療法(セラピー)を用いて克服のサポートをしますが、セラピーの種類はたくさんあるので、どういう手法を取るかは、セラピストによって異なります。

心理療法の代表的なものをいくつか挙げると、認知行動療法、精神分析、ゲシュタルト療法、森田療法、家族療法、ヒプノセラピー(催眠療法)、EMDR、フォーカシング、NLP、ブリーフセラピー、EFTなどです。

対人恐怖症治療(克服)方法

治療(克服)法に関しては、1)と2)で大きく違います。

精神科や心療内科は薬物療法中心

精神科や心療内科は、基本薬物療法です。そこに心理療法を組み合わせることも多いです。

薬物療法主体か、心理療法主体かの違いは病院や医師によって異なりますが、多くが薬物療法主体でしょう。

薬物療法については、個別のページで詳しく解説します。

心理療法について

心理療法については、医療施設関連のカウンセラーが中心に行うことになります。

この心理療法は以前はロジャース型と呼ばれるカウンセリングが主流でした。

1950~60年代にカウンセリングの神と称されたカール・ロジャースによって創始された来談者中心療法です。

いわゆる傾聴型カウンセリングというものです。

誤解を恐れず簡単に説明すると、クライアントが話した言葉を伝え返すことはするものの、何かアドバイスや積極的な介入はしないやり方で、共感と受容を通じて、クライアント自らに気づきや適応、回復を起こさせるものです。

傾聴型はそれはそれで奥が深いものではありますが、難点は効果が薄いということです。

相当時間がかかります。

クライアント側も、話を聞いてもらっておしまいというのは不満に思う人も多いです。

欧米では70年代からはこのやり方は廃れていったのですが、日本では近年まで主流でした。
日本のカウンセリングが時代遅れだと言われていたゆえんでもあります。

古いところでは、いまだに傾聴型カウンセリングが主流のところもありますが、多くのカウンセラーが認知行動療法を取り入れています。

欧米では、認知行動療法が主流です。

認知行動療法については、個別のページで詳しく解説します。

但し、臨床心理士が認知行動療法に詳しいというわけでは必ずしもありません。
臨床心理士は日本の心理資格の中では最も権威がある位置づけで、指定大学院でのカリキュラム受講が資格要件になっています。
日本の大学院の教官で認知行動療法に詳しい人は少なく、認知行動療法の実習を大学院で学べるというのはほとんどないようです。
一方、米国の臨床心理士養成大学院の多くが、認知行動療法の実習経験のカリキュラムを必須としています。
まだまだ、日本は欧米に比べて、心理教育ではかなりの遅れを取っていることは否めません。

ちなみに日本の心理資格で最大規模の「産業カウンセラー」ですが、カリキュラムにあるカウンセリングの手法は傾聴型カウンセリングのみです。

なので、臨床心理士や産業カウンセラーは認知行動療法に詳しいというのは全く違います。

まとめると、1)精神科やメンタルクリニックでは、対人恐怖症の治療には、薬物療法が中心で、心理療法(傾聴型か認知行動療法など)を組み合わせているところが一般的です。

一方、2)の民間カウンセラー・セラピストは、心理療法が中心になります。

どの心理療法(セラピー)を使うかは、そのグループや個人によって異なります。

代表的なものは個別のページで詳しく解説しています。

但し、どの心理療法が一番効果的かという議論は実はたいして有益ではありません。
近年確立されて実績があるセラピーであれば、どれを使ってもそう大差はないでしょう。

どのセラピーかということもありますが、どれだけ心を開けるか(カウンセラーを信頼できるか、専門用語でラポールが取れているか)がとても重要な要素です。

なので、カウンセラーの相性がとても大事です。

また、実績も重要です。その分野でどれだけセッションの経験を積んでいるかも重要な要素です。

やはり経験数が多い人ほどノウハウを積んでいるものです。

対人恐怖症克服までの時間

対人恐怖症の症状の重さによるので一概には言えませんが、ある程度の時間が必要になります。

薬物療法

薬物療法では半年~1年、またはそれ以上です。

カウンセリング

一般的なカウンセリングでは1~3年程度かかるようです(おそらく傾聴型!?)。

対人恐怖症専門のカウンセリングでは3か月~6か月程度で克服しているところもあるようです。
大体、週1回受けるペースでしょう。

精神分析

心理療法の一つに、精神分析というのがあります。

精神分析というのは、フロイトによる治療方法で、一昔前は精神科でも主流だったものです。

今はぐっと少なくなっています。

精神分析では、1回45分程度のセッションを週4回程度行い、数年かかります。

時間と費用がかなりかかります。

認知行動療法

認知行動療法は週1回のセッションを10~20回行うのが一般的です。

2か月半~5か月間かかります。

但し、症状によってまったく異なります。

重度の対人恐怖症と軽度の対人恐怖症をひとくくりにはできません。

軽いものであれば、1回セラピーを受けるだけで大きく改善するケースもあります。

とはいえ、1~2回で大きく改善を期待するのはしないほうがよいでしょう。

カウンセラーやセラピストは魔法使いではありませんし、どんなセラピーでも本人のペースや自然治癒力を無視して癒せるものではありません。
超短期間に癒せる人を探す努力をするよりも、自分に合ったセラピストを見つけて、一緒に克服していく方が結果的に早く克服できるのではないかと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら