PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療(克服)法

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、記事「ストレス障害の症状と種類」に詳しく書いたように、極度のストレス(トラウマ)によってストレス体験直後から、フラッシュバック(追体験)、回避行動、過覚醒の症状が現れ、精神的にも肉体的にも苦痛が生じる症状です。

ストレス障害の症状と種類

2015.07.28

PTSDと急性ストレス障害の違い

PTSD(心的外傷後ストレス障害)と急性ストレス障害の違いは、症状の持続期間です。

4週間以内に症状が治まる場合は急性ストレス障害で、それ以上続く場合がPTSDです。

急性ストレス障害は、身体の防衛機能としてトラウマの処理が終了し、症状が治まったと考えられます。

急性ストレス障害の半数がPTSDになると言われ、多くの方が長期に渡って症状に苦しみます。

また、PTSDを発症した人の半数以上がうつ病、不安障害などを併発しています。

急性ストレス障害と治療法は同じ

急性ストレス障害と症状は同じなので治療法も同様です。

急性ストレス障害の治療(克服)法もご参照ください。

トラウマをいかに無力化していくかに尽きます。

急性ストレス障害の治療(克服)法

2015.08.01

PTSDの治療法

治療法(克服法)には大きく2種類あります。

(1)薬物療法
(2)心理療法

薬物療法

薬物療法では抗うつ薬のSSRIが使われます。

特にうつ病や不安障害と併発しているケースでよく使われます。

薬物療法は推奨から外れ、現在では推奨されないものとなっている

日本の2006年のPTSDに関するガイドラインではSSRIが推奨されていました。

しかし、2013年のWHO(世界保健機関)によるガイドラインでは、薬物療法は心理療法がうまくいかなかったとき、あるいは中等度以上のうつ病がみられるときに考慮されるべきで、最初の選択にはふさわしくないとされています。

児童や青年のPTSDにおいては抗うつ剤は使用されるべきではないとされています。

心理療法

傾聴型カウンセリングは厳禁

心理療法で使ってはいけないものは、デブリーフィングと言われるものです。

デブリーフィングとは、トラウマの体験を詳しく話して、つらさを克服する方法です。
これはトラウマの再体験になるので、症状を悪化させます。

いわゆるロジャース型カウンセリングといった一昔前の日本の主流カウンセリング手法は、クライアントの話を聞くことを重視しているため、トラウマ治療には不適切です。

日本の厚生科学研究によるガイドラインでも、災害直後に体験を聞き出すようなカウンセリングは行ってはならないとされています。

PTSD治療では認知行動療法も推奨されない

認知行動療法は国際的に主流の心理療法です。

持続エクスポージャー療法が用いられます。

セラピストとの会話を通じてトラウマに徐々に慣れていく手法です。

但し、かなり慎重にやらないと、デブリーフィングと同じ結果になり、トラウマを再体験して余計に症状を悪化させることになりかねません。

WHO(世界保健機関)は、被災地や戦地に向けて、エクスポージャー療法(曝露療法)をトラウマ治療には使わないように通達を出しています。

もし、認知行動療法を選択するなら、実績豊富でサポートに手厚い医療機関で行うことをオススメします。

EMDRはトラウマに有効

EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)は、眼球運動を併用することで、トラウマ時の感情を落としていく心理療法です。

詳しい仕組みはまだ分かっていませんが、眼球運動がトラウマと感情の回路を断ち、トラウマを無効化します。

EMDRによるトラウマ治療(克服)

2015.08.14

EFTはトラウマに有効

EFT(感情解放テクニック)は、東洋医学の経穴(ツボ)をタッピングすることで、トラウマ時の感情エネルギーを流していく心理療法です。

EMDRは感情を解放していくというよりも、回路を断って感情を落とすというような感じですが、EFTは感情を少しずつ解放していくというような感じです。

マトリックス・リインプリンティングはもっと効果的

Matrix Reimprinting(マトリックス・リインプリンティング)は、EFTの応用系です。
こちらのほうが感情解放は早いです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の克服法(EFT,MR)

2015.08.05

PTSDの場合、個人で克服しようと試みるのはオススメしない

PTSDの場合、いかなる方法であっても個人で取り組むのはオススメしません。
自分で対応できる範囲を超えているからです。

軽いトラウマやショックな出来事は、自分で思い出すことも可能なので、心理療法を学んでいれば自分でワークすることもできます。

それでもプロに任せるのが圧倒的に早いです

しかし、PTSDレベルになると、もはや自分で対処できるレベルではなく、自分でやろうとするとかえって恐怖を強めてしまうことになりかねません。

実績ある専門家のサポートの元で克服に取り組むことをオススメします。

記事「大きなトラウマと小さなトラウマ」に書いたようにPTSDは体験と症状は劇的ですが、対処法が確立されていることと、原因が特定できているので、克服は比較的容易です。

ABOUTこの記事をかいた人

よっし~(西川佳宏)

心理カウンセラー/セラピスト(東京・新宿)。得意分野は不安・恐怖の悩み(不安障害、対人恐怖症、あがり症、強迫性障害、パニック障害、PTSDなど)、人間関係(恋愛・家族・職場など)の悩み。柔らかな雰囲気に加え、こころの悩みの本質をやさしく説明するのが得意。公式ブログで分かりやすくこころの仕組みを説明している(無料オンライン講座アリ) プロフィールの詳細はこちら